1. どのような機械(器具)で測ればよいですか?
一般に市販されている血圧測定器には、指、手首などのものがありますが腕(二の腕、上腕)に巻くタイプ、お医者や看護婦さんが診療所で測るときに腕に巻いて血圧を測るものに似たものが良いです。腕の先端に行けば行くほど誤差が大きくなります。腕に巻く布製のものをマンシェットと言いますが、これが心臓の高さに来るような位置で測るのが良いです。測定した血圧は記録に残すようにしましょう。自分の血圧の理解、また内服治療をされている方は診察時にお持ちになれば、主治医サイドとしてもとても良い参考になります。
2. いつ血圧を測るのが良いですか?
血圧は寝ている間は低目に保たれ起きたときに、車のエンジンで言う暖気運転に入る時の様にググーッとあがります。不幸にも心筋梗塞や脳卒中で倒れた方の話を聞くと圧倒的にこの朝起きたときや早朝が多いと思います。この朝の血圧が上がる時をいかにコントロールするかが我々医者の腕の見せ所となるわけです。ですから血圧を測るとすればこの一番高くなる可能性のある起床後一時間位に測るのが良いです。また1日に2回測るとすれば就寝前に座位で3分程度の安静後に測りましょう。
3. 1回の測定時に何回測ればよいですか?測定毎にばらつきがありますが、どのデータを取ればよいのでしょうか。
一回目に測った血圧に納得すればこれをその日の血圧と考えて良いと思います。もし一回目の血圧に納得できない場合、一回目の血圧は忘れて二回三回と後二回は測って頂いてこの二回の平均をその日の血圧と考えましょう。ただし一回目の血圧も一応記録には残しましょう。
4. 測定時に何か注意することはありますか?
血圧を測るときは3分位安静にしてから行います。測定のポイントは先にお話ししたように時間で血圧は変わりますので同じ時間、かかるストレスを同じにする意味で同じ姿勢(座位)、同じ場所で測りましょう。時間は出来れば起床後一時間以内、排尿後、朝食前に測定しましょう。血圧の内服治療をされている方は内服前がよろしいでしょう。
5. 最大値と最小値は、何を表していますか?
最大(=最高)血圧は心臓がグ〜ッと縮んで血液を血管(動脈)の中に押し出したときに動脈の壁にかかる圧で、最小(最低)血圧は心臓がパ〜ッと広がり静脈から血液を心臓に戻った時の動脈にかかる圧です。
6. 家庭で測った場合、いくつを正常値とすれば良いですか?
通常使われている最高血圧140mmHg未満、最低血圧90未満というのは通常診察室での測定結果で、ご自宅で測るよりどなたでも多少高めにでるものです。家庭での血圧は今現在の最新のガイドラインであるJSH2004(国際血圧学会)では高血圧を最高血圧が135mmHg以上、最低血圧が85mmHg以上のどちらかを満たせば高血圧であるとしています。また正常は最高血圧が120mmHg未満、最低血圧が80mmHg未満の両方を満たした場合を正常、その中間を正常高値ということになります。
7. 正常値に男女差、年齢差はありますか?
まず男女差はありません。年齢差ですが以前は「自分の年齢+いくつ」などと言われていた時代もありましたが、年齢差は無いという方向に血圧の診断基準は動きつつあります。
欧米でも日本でも診断基準に年齢差はありません。治療目標値にも欧米では年齢差はありませんが現在の日本では年齢別の血圧の目標値を2段階にして高齢者を75才以上として、それ以下の年齢に分けて目標値を決めています。
8. 数値が実際よりも高く出てしまう外的要因などはありますか?
すでにお話ししたように一日の中でも血圧は変化します。それ以外にでも暑さ・寒さ、緊張(診療では多少高くなったり、白衣高血圧といって医者を見るだけで20〜30mmHg血圧が上がる場合も)などで上がります。ですから測定の条件を一定にするよう心がける必要があります。
9. 検査結果は、どのように管理・記録したら宜しいですか?
表を作って記録に残すようにしましょう。ただ連れずれなるままに残すのではなく、決まった条件で残すようにしましょう。ただし日中や夜間でも何か体に異変を感じたときは測って記録に残すのは後の診療で参考になります。異常事態はこの条件とは別です。