はじめに
糖尿病とは、血液中のブドウ糖の量が慢性的に高い状態が続き、目、腎臓、抹消神経や全身の血管などに深刻な合併症を引き起こす病気です。日本にはおよそ740万人以上の患者がいるとされ、国民にとって非常に深刻な問題となっている生活習慣病の一つです。
糖尿病の要因は?
糖尿病の発症には、遺伝的要素が関与する場合があります。ですから血縁者に糖尿病の方がいる場合は、発症の確率は高くなると言われています。一方で、発症のリスクを高めるのは遺伝的要素だけではありません。糖尿病の発症には、食生活などの生活習慣病が外的要因とし密接な関わりを持っています。
本来、血液中の糖の量(血糖値)は、膵臓(すいぞう)から分泌されるインシュリンというホルモンの機能により一定に保たれています。正常な場合でも、食事後に血中の糖分(ブドウ糖)が増加しますが、インシュリンは、ブドウ糖を代謝することでエネルギーに変え、血液中にブドウ糖が増えすぎないようにしています。
インシュリンを分泌する膵臓の機能が低下したり、インシュリンそのものへの反応が低下して、ブドウ糖がうまく代謝されず、血液中の糖分量が慢性的に高い(高血糖)状態が続き、様々な合併症が引き起こされるものが糖尿病です。